バイオミメティクスの開発プロセスや発想手法について、随時更新します。
1. バイオミメティクスを応用する技術課題の抽出方法
課題解決型(Problem driven approach)は、すでにある課題を解決するために生物を探す手法です。
しかし、自然や生物の世界に人工製品は存在しないので、バイオミメティクスでの解決や性能向上を目指す技術課題の設定が難しくなる場合があります。
例えば、「汚れないプラスチック容器」「良い電池」という漠然とした目標や課題では生物を探すことはできません。
人工物であるプラスチック容器や電池が自然にないからです。
その場合は、より具体的な課題や部品ごとの必要な性能に着目してみましょう。
例えば、リチウムイオン二次電池であれば、極板、外缶、セパレータ、リード、など多くの部品で構成されています。
そして、部品ごとに必要な工学的な指標も様々です。
正極板と負極板を絶縁する役割をもつセパレータであれば、「絶縁性(導電性)」「強度」「伸縮性」「耐熱性」などが考えられます。
「電池」のままだと「電気」(→デンキウナギ、シビレエイ?)など生物を探すキーワードが少ないですが、 部品ごとに分けて考えることで、「電気」とは離れた「強度」など別のキーワードが見つかります。
この考え方は、バイオミメティクスが応用できる技術課題を広く捉えることに役立ちます。
また、新しい仕組みの電池を作りたい、という場合は「電気」「蓄電」といった技術の主目的をキーワードに設定することができます。
課題解決型のアプローチ手順
■ step 1: 課題定義・分析 ←この段階
■ step 2: 生物学へ変換
■ step 3: 生物案探索・調査
■ step 4: 検証・実用化
具体的な仕事内容に関しては、WORKページ参照
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